対比も主題もとにかくハが入らない節

南分類における情態修飾のテ・ツツ・ナガラは、南の主張とは異なり、実は取り立て詞を含む。無論述部に制限のあるものは入らないが、モ・マデ・ダケ・バカリ・サエ(・デモ)は確実に入る。更に対比のハも入る。しかし、ではそれ以上の節がこれらをすべて含むかというとそうは言えない。確定条件カラ・ノデ・テや逆接ノニ・ケレド・ガや並列シはこれらの取り立てに加えて主題ハも含む。問題はこの中間にある仮定条件も確定条件も表わせるレバ・ト・タラ・ナラで、主題が入らないのはいいとしても、普通の取り立ては入るのに、対比のハも入らない。ハという形式自体を拒む。同じことは山田孝雄がハとガの違いを考えたトキ節やアイダなどの時間を表わす節にも言える。「鳥は飛ぶ時」と言いきれないのは、ハが主題だからではなく、ハがトキ節に入らないからだ。

読書

信長協奏曲 (7) (ゲッサン少年サンデーコミックス)

信長協奏曲 (7) (ゲッサン少年サンデーコミックス)

予断を許さん。
ひばりの朝 1 (Feelコミックス)

ひばりの朝 1 (Feelコミックス)

ヤマシタ先生がついに山岸涼子の世界へ。表情の描写がヘタクソなので台無しである。次巻が待たれる。
砂漠の花の物語~ペルシア神話より2~ (フラワーコミックスアルファ)

砂漠の花の物語~ペルシア神話より2~ (フラワーコミックスアルファ)

1巻でつけたしみたいだったヘブライペルシャとちゃんと融合した。アザレアとザールがツートップ主役でいい。しかし最後のエピソードは要らなかったのではないか。天使様萌えした1巻から大分になるが『ひすいの国』は未完で終わるのだろうか。
海獣の子供 (5) (IKKI COMIX)

海獣の子供 (5) (IKKI COMIX)

壮大。かつ尻すぼみ。ここんとこ、すっげー、思わせぶりー、でも最後はなんかなあ、というのばかり描いている気がする。5巻までもつとは思わなかった。ちゃんとだれずに描いているのがすごい。腐女子世界は広いというべきか。掲載誌が移動になった時はもう終わりかと思ったのだが。
シドニアの騎士(8) (アフタヌーンKC)

シドニアの騎士(8) (アフタヌーンKC)

もう全巻読み返さないとどうなっているのか忘れてしまう。どのガウナと戦ってたっけとかベニスズメどこ行ったのだとか。衛人は今何式だっけというか新兵器開発しすぎでいいのか。小林は前巻で不死船員を皆殺しにしたがかつて斎藤に反感を抱かれたのを反省しようとしてたんじゃないのか。復活した岐神のなかで落合はどうなってんだ。
もうダマされないための「科学」講義 (光文社新書)

もうダマされないための「科学」講義 (光文社新書)

良書。もっと少人数できれいに分担したほうがよかったのか。メディアとの関係も含めて市民社会で科学とどう付き合うべきか、その方向性は、というようなところまでが欲しかったが、そういうのは科学社会学とかがすべきことか。してるのか?
人体 失敗の進化史 (光文社新書)

人体 失敗の進化史 (光文社新書)

語り口は面白いし著者の姿勢もかわいいが解剖学者が進化を語ると無茶になってしまうのは何故だろう。解剖学が進展していないせいで意外なところが未だに未解明なのに驚く。確かにゾウを解剖する機会はないわなあ。ゾウの鼻の機構は人の手の機構以上に不思議なのだから早く解明してほしいのだが。
イルカ―生態、六感、人との関わり (中公新書)

イルカ―生態、六感、人との関わり (中公新書)

後者の方が古いがそっちの方が詳しい。イルカも分からんことだらけだ。ジョンCリリーが適当なことを言ったものの未だにコミュニケーションが分からんというか研究の糸口がないというのは驚く。音波を色々解析していれば出てくるものでもないのか。だからと言って図や人の指図への理解を試してどうするんだという気もする。霊長類学には結構予算がつくのに他の高等哺乳類に予算がつかないのはどうしてなのだろう。
反貧困―「すべり台社会」からの脱出 (岩波新書)

反貧困―「すべり台社会」からの脱出 (岩波新書)

積読。良書。統計から実環から構造から対策から市民生活から政治まですべてカバー。経済を底上げすることを目指しながら25条の徹底を呼び掛ける。本書のような新自由主義・小泉以降格差が広がったという立場はよく見かけるが、経済の人にはそれ以前から格差は広がっていたのであってグローバリゼーションとかのせいじゃないよという人もいるが、どっちが正しいのだろう。
ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)

ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)

良書。くらーくなってくる。伊藤計劃の世界を思い出す。国家には民間化してはいかん部門があるのだ。これはオバマが叫ぶのも分かるわ。しかし軍隊をどれだけ人道的にかつ安く作り上げるかというのは現代ではどの国家でも難しいのではないだろうか。命の危険のある仕事という点では警官も同じ。あるいは格差が固定的に職業と結び付いているというのなら刑務官・畜肉解体処理業者・清掃業者などにも当て嵌まる。この社会で必要だけれども誰もがやりたがるわけではない仕事を誰かがやらないといけないときに、報酬や名誉などを見返りにしたからといって、その社会の成員に免罪符が与えられるわけではないだろう。
水滸伝の世界 (ちくま文庫)

水滸伝の世界 (ちくま文庫)

私の興味のせいか現今普及の物語の成立事情とか書誌学的なこととかが面白い。近世中国の出版事情、読書人事情も面白い。やっぱり餅は餅屋で、中国文学の人は中国文学をやってほしい。言葉の本とか出さずに。文学者が文化論や言語論や歴史を語り出すと怪しくなるのはなぜ。
新書488原始の神社をもとめて (平凡社新書)

新書488原始の神社をもとめて (平凡社新書)

ポエマー。色々面白いのだが、だから何だと思う。済州島や韓国の取材はいいが、もっと突っ込んで研究すべきではないのか。日本の神社がどういうものかという基本的なところが抜けているので、色々見ましただけで終わっているのではないか。中間地点として重要な五島列島の知見がないのも惜しい。対談は要らん。
東シナ海文化圏 東の<地中海>の民俗世界 (講談社選書メチエ)

東シナ海文化圏 東の<地中海>の民俗世界 (講談社選書メチエ)

良書。しかし、古代から呉越を中心に東シナ海に文化が広まって行ったのはいいとして、周辺地域に現在あるいは歴史上見られる文化現象が、昔呉越から広まったもののせいなのかそのあと各地で独自に進化したものなのか各地の交流の結果できたものなのか歴史的に随時呉越から広まってくる波によるものなのか、といった系統関係が不明確でべったりと捉えている感がある。それに東地中海の共通点を言うのならば、他の地域では東地中海とは違うということを少しは言うべき。叢書で読みたい。